あらすじ。ギムナジウムに通うマックスはヨスカ、ファビオ、ルーカスという三人の友達とともにパンクバンド「ジシュテムフューラー」を結成している。ところが、そのバンドが発表した「インゲが踊るとき」というマックスが恋心を寄せているインゲを歌った歌を発表したところ、当のインゲが立腹してしまう。そこからいくつも騒動が発生して、終盤では晴れ舞台となるライヴにたどり着けるかが見せどころとなるというも、まあわかりやすいギムナジウム青春絵巻である。
ただし、むしろこの話のすじと設定の凡庸性こそが印象深かった。それというのも、筆者は現代ドイツの若者文化や十代の生活を描いた文芸にあまり触れたことがなかったからだ。この映画を観ると、ギムナジウムに通うドイツの十代の生活もBBCのドラマ「スキンズ」などで描かかれるような英国のカレッジ(英国においては高校という意味である)に通う十代のそれとあまり変わらないようだ。この映画では十代の若者の恋愛や音楽、また大麻やエクスタシーなどが実におおらかに肯定的に語られる。特にバンドの一員でドラム担当のルーカスがエクスタシーの脱ぎ上戸というか、エクスタシーを食ったら脱ぎたくなる体質という設定は色気を振りまきつつもコミカルな場面をなしていた。バンドの男四人アイドル然とした様は英国のボーイバンドマクフライをも思わせる。また、終盤にはバンドの四人にインゲをくわえて五人とバンドが東映の戦隊ものと同じ構成になる。この五人とも美形であって、これらの若者のやり取りを観ているだけでも眼福というものだ。
こうした現代ドイツの生活振りを伝えるような娯楽映画がもっと現れてドイツのイメージを更新してくれればいいと思った。
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